好きです、なんて
思うだけでも顔が真っ赤になる。
視界に貴方が入っただけで
幸せになってしまう、私は馬鹿ですか
「う・・・」
「人気だねーゼロス先生」
「すっげー!ひとだかりじゃん!」
「ロイド・・・人だかりの意味わかって言ってる?」
「わ、わかってるよそれくらい!!」
小さい頃から、近所に住んでたお兄ちゃんが好きだった。
そのお兄ちゃんがゼロスって名前で、学校の先生を目指してるってことは知ってたけど。
それは、私が小学校に上がって、中学生になったとき。
彼が高校の先生をしてるってわかった時。
絶対にその学校に行こうって心に決めた。
ホントはもっともっとレベルの高い、御三家って呼ばれてるような学校に行かされる予定だったんだけど
どうしてもって無理言って、この学校に入らせてもらった。
それから1年。去年はチョコを作っても渡せなかった。結局、あげようと思ってたほとんどをロイドのお父・・・クラトス先生に食べてもらった。
・・・甘い物が苦手だ、ってわかってたけど。頑張って食べてくれた(顔が真っ青になってたけど)
ロイドたちは高校に入って初めて出来た友達。中学校までは「勉強勉強」って言われてたから、結構新鮮なカンジ。
学校帰りにどこかに寄ったり、とっても楽しく学校ライフを楽しんでる。
「ちゃん、ゼロス先生にあげないの?」
「い、いいよ・・・貰っても先生困るだろうし・・・」
「なんでだ?の作るお菓子ってうまいじゃん」
「そうだよ、あげたら?」
あげたいのは山々なんだけどね・・・なんて、教員室のドアから覗き見ながら溜息を吐く。
「無理だよ・・・無理無理・・・絶対無理」
「無理かどうかは渡す前から決めるものではない」
「父さ・・・先生!」
ぬ、と(本当にぬっと)現れたのが、国語のクラトス先生。
・・・ロイドとはいろいろあったみたいで、絶対に「お父さん」って呼ぼうとしない。(ほとんど呼んでるけど)
「私が呼んできてやろうか」
「いいいいいいいです!!!」
「ん?あ、コレットちゃーんvv」
思いの外大きな声が出てたみたいで、ゼロス先生がこっちを向いた!
「どこ行くんだよ!?」
「どこ行くの!?」
「わっ、わわっ !」
思わずダッシュ。クラトス先生は残してきちゃったけど問題ない。
後ろから、ロイドとジーニアスが追いかけて来るけどとりあえず走った。
■
「ちゃん・・・本当に渡さなくていいの?」
すぐ前の席に座ってる親友が・・・コレットが言った
「やっぱり無理・・・先生絶対に困っちゃうよ・・・」
ほら、去年も女生徒から腐るほどチョコを貰ったって聞いた。
それに、その日は車に紙袋いっぱいのチョコをいくつも乗せて帰ってたことだって知ってる。
・・・本当は、先生が一人になったところで渡そうかな、なんて跡をつけてただけなんだけど。
先生が大変そうに抱えるチョコを見た瞬間、絶対に渡せないって思って逃げ帰った。
だって、きっと義理チョコとかも混じってるチョコの中の一つに数えられてしまうのがイヤだったから。
「これって誰のだっけ」なんて思われずに、「これはあの子が一生懸命渡してくれたヤツだったな」って思い出してもらいたいから。
すっごく自分勝手だけど そうじゃなきゃ、想いを伝える意味がないじゃない。
と、休み時間を告げるチャイムが鳴った。
だんだんと、教室から姿を消していた人たちが戻ってくる。
その中には、さっき(私が無理矢理)帰ってきたときに女の子に呼び出されたジーニアスや、
「あ、俺先生に呼ばれてたんだった」ってもう一度教員室に戻ったロイドも居た。
やっぱり、男女ペアで帰ってくる人も居て、その中には(隠してるつもりなのだろうか)ポケットからチョコの包みの端っこが見えている人も居る。
「あー次、英語だったっけ?」
「ゼロス先生だったらよかったのにねー・・・」
「そんなことないよ!ロディル先生はいい先生だよ!」
「俺、あの先生苦手なんだよなー・・・」
「僕も・・・」
私だってロディル先生は苦手。入学した時は絶対に生物の先生だ、なんて思ってた。
・・・ゼロス先生がうちのクラスの英語担当だったらよかったのに。
「はいはーい。ハニー達静かにー」
ああ、また先生のこと考えてたら幻聴が・・・
「え、ロディル先生は!」
「ゼロスせんせーvv」
「わたしのチョコ、食べてくれましたかーーーっ」
幻、聴・・・・
「あーロディル・・・先生、・・・は出張なので俺様が代わりに授業やりまーす。はい138ページ開けー」
―――――――――あれ?
「ロディル先生、出張だって!ちゃん、よかったね!」
「あーよかったー!俺、宿題やってなかったんだよなー」
「命拾いしたね、ロイド」
「じゃー、このページの文章読めー」
・・・え?幻聴じゃなくて?ホンモノ?
「ちゃん?呼ばれてるよ?」
「教科書出さないと怒られるよ!ロイドも!」
「テキストも開かずにどーした?調子悪いのか?」
この世のモノとは思えない幸運をこの身に感じまくった私は、
隣に座ったジーニアスに小突かれ、ゼロス先生に教科書で叩かれるまで放心状態だった。
■
『、お前放課後英語科研究室まで来い』
「はぁー・・・」
「ちゃん、どうしたの?」
「そんなに気ぃ落とすなよー!俺なんてしょっちゅう呼ばれてるぜ!」
「ロイド・・・そこ、威張るところじゃないから」
胸を張るロイド、つっこみを入れるジーニアス。・・・健全だ。
「行きたくない・・・行きたくないぃぃ」
「しかたないよぉ・・・ね、ロイド?」
「ん?あぁそうだな・・・もう放課後だし。心決めて行けよ!」
「腹決めて、でしょ。宿題も少ないし、大丈夫だよ!」
いつものロディル先生の出す宿題とは違って、ゼロス先生の宿題は本当に少なかった。
・・・でも、そんなことを気にしてるんじゃなくて。顔会わせづらいでしょ・・・!
「ボク達、待ってよっか?」
「え、っと・・」
「う、ううん!ロイドとジーニアスは先に帰ってて!」
なぜか私の代わりに答えたのはコレット。しかも思い過ごしでなければ、目が・・・意気込んでいる
「え、いいけど・・・どうかしたのか?」
「ちゃんはゼロス先生にわかんない問題聞くんだって!だから遅くなるって!」
え、そんな話聞いてないよ?ってかそれって私が決めることじゃない??
でも、そんなことはお構いなしで 私抜きで話が進んでいく。
「じゃー先帰ってるけど・・・」
「うん!じゃあまたね!」
「コレットも先に帰るんでしょ。」
・・・明らかにコレットの様子がおかしい。絶対に何か企んでる!
「あ、 ・・・!」
「え、ぅ、なに?」
「絶対に渡してくるんだよ!頑張って!」
「は?え、ちょっと・・・待・・」
「じゃあまた明日ねーーー!!」
・・・アンタたちは嵐か。と言いたくなる衝動を抑えて、私は教室でバッグを抱えたまま、放心状態の頭で思った。
・・・・・ゼロス先生のとこに行かなきゃ。
もちろん、今までさぼりとかやったことのない私の頭には、「そのまま帰る」という選択肢はありえなかった。
■
・・・こんこん
「ん?入れよ」
「し、失礼します・・・」
入った部屋には、(予想通り)ふんぞりかえって椅子に座るゼロス先生の姿があった。
「あーちゃんか。どしたの?」
「せ・・・先生が呼んだんですよ・・・」
忘れてしまったのか、ゼロスは顎を押さえて目を瞑り、天井を見上げた状態で唸った。
「んー・・・」
「(・・・どうしよう)」
気まずい。はっきり言って早くここから出て行きたい。でもゼロス先生の顔を、一秒でも長く見ていたい。
・・・すっごく矛盾してる。
「なんで呼んだんだっけ。忘れちゃったなー」
「あの・・・じゃあ帰っていいですか・・・?」
とりあえずこのプリントやってきて、とかそんな答えを予想していたのに、返ってきた言葉は
「ダーメ。」
「え・・・」
「先生にチョコは?くれないのかなー?」
見抜かれてる!?や、でも持って来ない子だって居るし・・・
それ以前に、それ言う為だけに呼んだとか・・・!
「他の子はみーんなくれたよ〜?ちゃんは?」
「わ・・・たし、は」
椅子から立って、近づいてきたゼロス先生の背の高さに、思わず声がひっくり返る。
「くれないと帰さないぞー?」
・・・意地悪い!
「え・・・それは困り・・・・ます・・!」
だって、ロディル先生よりは少ないとは言っても、ゼロス先生の宿題の量もたまったもんじゃない。
家に帰れなかったら・・・困る。
「ぷっ」
「え?」
「あはははははははははははは!そうきたか〜!」
目の前で、(本当に手の届く距離で)お腹を抱えて笑うゼロス先生が子供みたいに見える。
「冗談よ、冗〜談!」
「冗・・談?」
「そー!あー可笑し。本気にしなくても〜」
まだ笑ってる。冗談なんて、あんな真剣な顔で言うもんじゃない
心臓が止まるかと思った。
「あーでも」
「チョコは本当だから。」
「・・・・・・え・・」
「教員室で、ずっと見てたでしょ?俺様のこと。」
「知ってたんですか・・?」
「だって〜去年も見てたじゃない?『いつ渡してくれんのかなー』って気にしてたのよ?」
そんな。去年のこともばれてたなんて。
「俺様が一人で重〜い紙袋抱えても出て来てくれないし。大変だったんだぜ?あれ運ぶの。」
見てた事もばれてる。
「くれないの?チョコ。・・・・本命でしょ?」
「な・・・なんで知って」
「だって。クラトスに怒られたんだもん。『お前が悪いのだ』って水飲みながら」
こーんな顔。と、クラトス先生そっくりの無愛想な(失礼)顔をして、同じ口調で言う。
・・・もちろん、授業時間以外は先生に先生を付けたり(言ってることおかしいかな)苗字で呼んだりもしない。
「ほら。出しな」
「はい・・・」
負けた。ここまで知られてたら出すしかない。
コレットはここまで見抜いていたんだろうか。
「ん?告白は?」
「は?」
「俺様に愛の告白〜!」
「え、ち、違」
「違わないでしょ?ほれ。言っちゃいな?悪いようにはしねーよ」
「・・・好きです」
「じゃーお持ち帰りね。まいどありー」
直後、ちゅっと軽い音を立てて離された唇は、コーヒーの味がした。
■
バレンタイン過ぎました!(殴
というわけでLovesickゼロス編です。
なんともまー「え、シンフォニアですか!?」ってカンジですが。ごめんなさい!石投げないで!
きっと次からちゃんと・・・メイン更新に・・・・!Dグレとかブリーチとかアビスとか、ね!(何
想いが伝わった方も、伝わらなかった方も(管理人みたいに)男なんてうおらー!みたいな人も!(居ないよ
ホワイトデーは三倍返しですよ!!(待て待て
(07-02-15)