知ってるよ 忘れてないよ







僕らが今まで生きてたこと 僕らが今まで生きてきた理由










それは僕らの手が血に濡れても消えることはないから。



























真夜中。少し寝付けなくて月を眺めていると、小さく戸を叩く音が聞こえた
誰も起こさないよう、誰にも迷惑をかけないよう、気を使った音。


こんな夜中に、しかもこんなに気を使って俺の部屋を訪ねて来るヤツは1人しかいない。
お気に入りのぬいぐるみを持って、可愛い寝巻きを着て。


「いちご・・・おきてる?」

「おう。どした?」

かちゃり・・と扉を開けてやると、思った通りの格好をしたがそこに居た。



俺の双子の姉、



双子、とは言っても俺とがそっくりなワケじゃない。


むしろ俺とは正反対。

「双子です」って言うと100人中100人に驚かれるくらい、性格も顔も体つきも似ていない。





・・・・一卵性ではないのだから当たり前といえば当たり前なのだが。





「眠れ・・なくなって・・・・」

「ん・・・わかった。入れよ」

「ありがと・・・」






が夜眠れなくなる症状は、
お袋が死んでから一ヵ月後に始まった。




最初、が尋ねてきたときは驚いた。
俺はお袋が死んだショックで眠れなくて、が慰めに来たのかと思って扉を開いたら
「一緒に寝てもいい?」ってお袋の葬式の時とは全然別人のようながそこに居た。


それからずっと。俺が中学生になっても高校生になった今でも、は「眠れない」と真夜中に訪ねてくる。




「怖い夢見た」

「あぁ」

「一護は―――― 一護だよね?」



これもよくある会話。
なんの夢を見たか、は何も言わない。
でもきっと・・・俺とか家族の誰かがバケモノになってしまう夢でも見たんだろう。




俺も小さい頃にそんな夢を見たことがある。



「俺は、俺だ。 絶対お前の傍から居なくなったりしない。」

「・・・うん。ごめんね、ヘンなこと聞いて」



それからしばらくすると、は俺にぴったりとくっつくようにして眠りに落ちた。









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それはいつもどおりの日常。



(06-09-10)